国体山岳競技共通規則
国民体育大会山岳競技全種目についての共通規則
(平成20年大分国体から実施)
第1章 総 則
第1条 (適用及び定義)
- 本規則は, 社団法人日本山岳協会(以下「日山協」と略称する。)が主管する山岳競技会(以下「競技会」と略称する。)に適用する。
- 本規則は, 都道府県を代表して日山協に加盟している山岳団体(以下「岳連」と略称する)が主催する競技会及びブロックで共催する競技会に適用する。
- 競技会は, 日山協が定めた山岳競技を振興し, 併せて登山技術の向上と安全登山の普及を図ることを目的とする。
- 山岳競技は, 競技規則に基づいて行う競技である。
第2章 競技会
第2条(登 録)
- 日山協が主管する競技会には, 岳連によって認められた者がチーム登録をして参加する。
- ブロックで共催する競技会には, 岳連によって認められた者がチーム登録をして参加する。
- 岳連が主管する競技会には, 当該岳連に加盟している山岳団体及び当該岳連の予備審査によって認められた者が登録をして参加する。
- チームの登録は, 種別に1チーム当たり監督1名, 選手2名とする。
第3条(種 別)
競技の種別は, 次のとおりとする。
(1) 成年男子
(2) 成年女子
(3) 少年男子
(4) 少年女子
第4条(種 目)
競技の種目は, 次のとおりとする。
(1) リード競技
(2) ボルダリング競技
第5条(内 容)
競技の内容は, 種目別に定める次の規則による。
(1) リード競技 リード競技規則
(2) ボルダリング競技 ボルダリング競技規則
第6条(方 法)
- 競技会は, 成年男女,少年男女ともに第4条に定めるリード競技及びボルダリング競技の2 種目を行う。
- 各種目で競技を行う選手は, 種目別に1チーム当たり2名とする。
第7条(競技場 )
- 競技ルート及びそれらに付帯する施設は, 日山協が認定したものでなければならない。
- 競技場の認定は, 山岳競技施設認定規則による。
第8条(参加者 )
競技会の参加者は, 次のとおりとする。
(1) 競技会役員
(2) 実行委員会委員
(3) 山岳競技役員(本部役員, 行動役員, 運営役員)
(4) 選手及び監督
(5) 競技補助員
(6) 競技会係員
第9条(公 示)
- 競技会の公示は, 次の事項を記載して大会開催の1年前までに行う。
(1) 競技会の期日, 日程及び山岳競技会場
(2) 競技種別及び種目
(3) 各競技場の概要及び平面図
- 競技会の公示内容に変更があったときは, 各岳連に対し,文書により遅滞なく通知しなければならない。
第10条(実施要項及び実施要領等)
- 競技会の実施要項は, 次の事項を明記して, 競技会開催の6か月前までに各岳連に送付する。
(1) 競技会の期日
(2) 競技会の日程及び開催場所
(3) 種別, 種目及び選手,監督の参加資格
(4) 競技会場の図及び解説
(5) 予選方法及び国民体育大会山岳競技開催基準要項(以下「開催基準要項」と略称する。)細則3(2)のブロック大会で選抜するブロックごとのチーム数
(6) 申込方法及び申込書並びに開催基準要項16(5)及び同要項細則12(1)の選手,監督に変更が生じた場合の届出期限, 届出先
- 競技会の実施要領は, 開催基準要項及び同細則並びに本共通規則に定めるほか, 競技運営に必要な次の事項を大会ごとに定め, 大会開催の3か月前までに各岳連, 競技会に関係する役員及び選手, 監督に配布する。
(1) 実施要項
(2) 競技会場図
(3) 全種目共通及び種目別の実施内容
(4) 第7条に規定する日山協が認定した競技場, 及びこれに付帯する施設
(5) 第21条に規定する種別, 種目の競技日ごとの選手のスタート順
(6) 第23条及び第26条第1項に規定する競技会開催前の競技場への立入り可能な日時及び競技場の場所及び地図
(7) 第24条の種目競技の開始時刻及び終了時刻並びに場所
(8) 第43条第1項第4号に規定する競技成績発表の場所
(9) その他, 競技に必要な伝達, 連絡事項
- 実施要項及び同要領に追加, 変更等を必要とする場合には, その内容を「実施要項及び同要領追加変更事項」に明記して大会開催の15日前までに各岳連, 競技会に関係する役員及び選手,監督に配布する。
- 広報
(1) 会場地実行委員会は, 開催県内とその周辺地域の住民に対し, 公報, 報道機関等を通じ, 競技会開催の日時, 期間, 競技場を明示して可能な限り広く周知させる。
(2) 日山協は, 各岳連及びその他の山岳団体に文書, 月報等によって競技会開催の日時, 期間, 競技場を明示して広く周知させる。
第11条(プログラム)
- 競技会のプログラムは, 競技会に関する次の事項を記載して競技会開催前に各岳連, 競技会に関係する役員及び選手, 監督に配布する。
- プログラム
(1) 競技会役員, 競技役員及び競技会係員氏名
(2) 種別ごとの編成表
(3) 都道府県, 種別ごとの選手及び監督の氏名とその所属団体名
(4) 競技会の日程
(5) 総合開会式,表彰式の日時, 場所及び式次第
(6) 競技会場及び競技施設の図並びに解説
(7) その他, 必要な事項
第12条(総合実施計画書)
- 競技会の総合実施計画書は, 競技会に関する次の事項を記載して, 競技会開催前に競技役員に配布する。
- 総合実施計画書
(1) 実施要領
(2) 山岳競技組織図
(3) 各部の業務分担及び役員の任務
(4) その他, 必要な事項
第13条(報告書 )
競技会の実施結果は, 競技経過並びに結果に関する次の内容を「山岳競技会報告書」に明記して, 大会終了後 100日以内に各岳連, 競技会に関係する役員及び選手, 監督に配布する。
(1) 講評
(2) 成績一覧表
(3) 記録報告
(4) 競技会準備経過概要
(5) 各部報告
(6) 競技運営報告
(7) 実行委員会報告
(8) その他, 参考事項
第3章 組 織
第14条(組 織)
- 競技会の準備, 運営及び審判は, 次の委員会及び役員が分担する。
(1) 競技会会長及び副会長
(2) 中央総務委員会
(3) 実行委員会
(4) 競技委員会
(5) 審判員会
(6) 総合成績計算委員会
- 競技会会長は, 競技会を主催又は主管する団体の代表者がこれに当たり, 競技会を統括する。
副会長は, 会長を補佐し, 会長に事故あるときはその職務を代行する。
- 中央総務委員会は, 日山協が公認審判員会の中から任命した委員3名で組織し, 競技会の運営及び審判について, 競技規則その他の規則に基づき審査確認し, 必要な事項について助言と改善を指示する。
- 実行委員会は, 競技会開催地岳連及び開催地公共団体等で組織し, 宿泊, 交通, 各種施設等の準備及び運営を担当する。
- 競技委員会は, 日山協が任命した競技委員長, 副委員長, 競技委員及び運営役員で組織し,審判員会と連係協議して競技会の技術的運営全般を担当する。
- 審判員会は, 日山協が任命した公認審判員若干名で組織し, 競技委員会と連係協議して競技会の審判を担当する。
- 総合成績計算委員会は, 競技副委員長又は中央総務委員, 副審判長, 競技部長の3名で組織し, 総合成績の計算を担当する。
第4章 運 営
第15条(中央総務委員会の任務)
中央総務委員会の任務は, 次のとおりとする。
(1) 競技会場及びその付帯施設についての確認
(2) 競技運営についての点検
(3) 総合成績の確認
(4) 荒天による競技の変更及び中止についての決定
(5) 選手, 監督の資格, 退場及び失格の決定
(6) 抗議に対する判定とその措置
(7) その他, 必要な事項の処理
第16条(競技委員会)
- 競技委員会の構成
(1) 競技委員長 1名
(2) 競技副委員長 2名
(3) 競技委員 36名
(4) 運営役員 42名
- 競技委員長は, 競技会の運営を統括し, その結果を競技会会長に報告する。
- 競技副委員長は, 委員長を補佐し, 委員長に事故あるときはその職務を代行する。
- 競技委員は, 種目ごとに定める任務について, 競技委員長の指示に従い競技の運営に当たる。
- 運営役員は, 競技の運営に必要な部署について, 競技委員長の指示に従い業務に当たる。競技の運営に必要な部署は, 次のとおりとする。
(1) 総務部 (設営を兼務)
(2) 競技部 (通信・医療救護を兼務)
(3) 輸送・宿泊部
第17条(審判員会 )
- 審判員会の構成
(1) 審判長 1名
(2) 副審判長 2名
(3) 主任審判員 2名
(4) 副主任審判員 4名
(5) 審判員 13名
- 審判長は, 審判員の業務を指揮監督し, 競技終了後審判員を召集し, 成績を集計確認の上,成績表及び講評を作成して競技委員長に報告する。
- 副審判長は, 審判長を補佐し, 審判長に事故あるときはその職務を代行する。
- 主任審判員は, 審判長の指示に従い審査し, その結果を審判長に報告する。
- 副主任審判員は, 主任審判員を補佐し, 主任審判員に事故あるときはその職務を代行する。
- 審判員は, 主任審判員及び副主任審判員の指示に従い審査し, その結果を競技終了後速やかに主任審判員に報告する。
第5章 選手及び監督
第18条(選手及び監督の資格)
- 選手及び監督は, 岳連に加盟している者又は岳連が予備審査で認定した者でなければならない。
- 日山協の目的に反し又は競技会の主旨に賛成しない者は,競技会に参加することができない。
第19条(申込書の提出)
- 岳連又は岳連加盟団体が, 選手及び監督を競技会に出場させようとするときは, その所属団体を通じて, 締切日までに開催基準要項16(1)に定める届出先に申し込まなければならない。
- 申込みは, すべて日体協が定める申込様式と申込方法によって行うものとし, 次の事項を記載しなければならない。
(1) 出場種別
(2) 選手及び監督の氏名, 生年月日, 性別, 住所, 緊急連絡先, 出場都道府県例外適用の有無,選手については,登録選手番号
- 申込みと同時に日山協へは次の資料を送付する。
(1) 選手の健康状況(健康診断書)
(2)選手・監督確認カード(様式5)
- 出場の申込みをした団体は, 選手及び監督のために, トレーニング期間を含めた競技中の事故に対する保険を掛けなければならない。
第20条(競技規則の研究)
- 選手及び監督は, 競技規則を正確に研究し, 正しく認識し, これを遵守しなければならない。
- 選手及び監督は, 競技役員の指示に従わなければならない。
第21条(選手のスタート順)
- チームのスタート順は, 抽選で決める。
- 抽選は, 財団法人日本体育協会, 日山協, 会場地実行委員会の三者立会いで行う。その期日,場所及び抽選方法は, 三者で協議して決定する。
第22条(医師による診断)
選手, 監督が体調不良となり又は事故が発生して競技会担当医師から競技の続行を禁止されたときは, 次のとおりとする。
(1) 監督については, チーム・リーダーが代行する。
(2) 選手については, 続行禁止がスタート前のときは棄権とし,スタート後のときは, 競技の中止(第40条)を適用する。
(3) 競技中, 医師が必要と認めて当該選手を診断するときはその間も計測を続行する。
第23条(競技会前の競技場への立入り)
選手, 監督及びその関係者の競技場への立入りは, 実施要領に定める日までとする。
第24条(種目競技の開始及び終了)
- 種目の競技開始時刻は, 主任審判員の競技開始通告の時刻とする。
- 種目の競技終了時刻は, 主任審判員の競技終了通告の時刻とする。
第25条(競技の運営)
- 審判員の任務は,第17条(審判委員会)による。
- 競技委員の任務
(1) チーフ・ルート・セッターは,主任審判員の指示を受け,又は主任審判員に助言して,次の業務を行う。
- ルート・セッター及びリード競技におけるルート作業員を指導して,以下の事柄について国体山岳競技に準拠して立案,計画,実施する。
(ア) 競技会におけるルート及びボルダー・ブロブレムのデザイン,ホールド及びプロテクションその他の器具類の設置
(イ) ルート及びボルダー・ブロブレムの補修とクリーニング,ウォームアップ設備のデザイン,設置,メンテナンスなど
- ルート及びボルダー・ブロブレムの技術的標準と安全性を確認し,競技エリア内における技術的問題にいついて主任審判員に助言を行う。
- リード競技におけるルート図作製を補助する。
- ビデオカメラの設置場所の決定に際し,主任審判員に助言を行う。
(2) ルート・セッターは,チーフ・ルート・セッターの指示に従い,ルートを設定し,ルート図を作製する。
(3) ルート・セッター及びリード競技におけるルート作業員は,主任審判員又はチーフ・ルート・セッターの指示に従い,定期的又は必要に応じてクライミング・ウォールのクリーニング及び点検を行う。
(4) リード競技におけるビレイヤーは,主任審判員の指示に従い,選手を確保する。
(5) 通信・連絡員は,主任審判員の指示に従い,アイソレーション・ゾーン,コール・ゾーンの管理,選手,監督の誘導を行うほか,本部その他との通信・連絡及び進行を担当する。
(6) 計測・記録員は,主任審判員の指示に従い,計測とその記録及び競技状況の記録を担当する。
(7) 医務員は,選手の健康,衛生管理を担当し,患者の救護,搬送について主任審判員の指示を受けその処置に当たる。
- 補助員は,主任審判員の指示に従い,審判員及び競技委員を補助する。
- 審判員及び競技委員は,選手が傷病等により競技の続行が困難な状態にあることを現認したときは,第22条(医師による診断)の規定に則り,その処置に当たる。
第26条(競技中)
- 競技中,監督及びその関係者は, 競技委員会が定めた日時, 場所以外は, 競技エリアに立ち入ることができない。
- チーム・リーダーは, 必要な場合, 監督の権限を代行することができる。
- 選手及び監督は, 審判員及び競技委員の任務に対し干渉してはならない。
- 選手及び監督は,ルート並びに施設の状態を変えてはならない。
- 選手及び監督は, 種目競技開始から種目競技終了までの間, 点呼に応じられるように準備していなければならない。
- 主任審判員は,競技開始通告後, 選手及び監督の点呼を行い, 次の事項を確認, 伝達する。
(1) 選手の健康状況の申告
(2) 当日の気象状況
(3) 競技ルート及びボルダー・プロブレムの概要と注意事項
(4) スタート及び完登の場所,方法
(5) 競技終了通告の場所, 時刻
(6) 監督の行動
(7) 選手,監督の確認
(8) その他, 必要な事項
- 競技終了通告前の点呼では, 次の事項を確認, 伝達する。
(1) 選手の健康状況
(2) 競技経過の概要並びに成績発表,種目別表彰の場所及び時刻
(3) 競技終了通告後の主任審判員が所在する場所及び時間
(4) その他必要な事項
- 選手は,競技中,特別に定める場合を除き,競技役員以外の者と接触し,又は競技に関する会話を交わし,若しくは助言を受けてはならない。競技を終えた選手及び監督又はその関係者は,競技中の選手と接触するためアイソレーション・ゾーン及びコール・ゾーンへ立入り若しくは接触し,又は競技に関する会話を交わし若しくは助言を与えてはならない。
- 選手は, 競技中, 審判員及び競技委員が識別できる状態で標識及びゼッケン(都道府県番号と個人番号)を着用しなければならない。
第27条(ドーピング検査)
- 選手に対し,ドーピング検査を行う。その方法は,日山協ドーピング規定及び国体ドーピング・コントロール規定に従う。
- 国体開催中にドーピング違反が確定したときは,当該選手の成績はすべて無効とし,以後の競技には出場できない。
- 国体競技終了後にドーピング違反が確定したときは,当該選手及び当該選手の所属するチームの成績をすべて取消し,次順位者及び次順位チームを繰り上げる。
第28条(棄 権)
- 選手が体調その他の理由で競技を棄権するときは, 監督又はチーム・リーダーは主任審判員に対し,文書をもってその理由を届け出なければならない。
- 競技開始通告後点呼に応じないときは,主任審判員は当該チームが棄権したものと見なし,当該チームの棄権を宣言することができる。
第6章 審査の指針
第29条(クライミング・ウォール)
- 次の場合を除き,クライミング・ウォール表面のすべてを使用して登ることができる。
(1) ボルト・オン・ホールドの設置用に開けた穴を手で使用してはならない。
(2) クライミング・ウォールの両側及び上端の縁は使用してはならない。
- 上記1に定めた以外に,ウォールの一部分,ホールド,はりぼての使用を限定する必要があるときは,他の部分と明確に区別するために,限定部分は,連続してかつ明確に次の色で表示する。
(1) 使用を限定するウォールの一部分,ホールドを制限する箇所,はりぼてに触れてはならない場合は,赤色で表示する。
(2) 使用を限定するウォールの一部分,ホールド,はりぼてを選手が登るために使用することは認めないが,触れることは差し支えない場合は,赤以外の色,可能であれば黒色で表示する。
- 他に使用を制限する必要があるときは,これを全選手に告知する。
第30条(安全性)
- 競技会主催者は,競技エリア,競技会場,競技の進行に関わるすべての活動について,その安全を確保する。
- 審判長又は主任審判員は,競技エリアの安全性について疑問があるときは,チーフ・ルート・セッターと協議のうえ,いかなる段階においても競技の開始,継続を許可しない決定をすることができる。
- ビレイヤーは,競技会におけるビレイの方法を習熟していなければならない。
- 各ルート,プロブレムは,選手の墜落によってその選手自身が負傷し,他の選手の負傷に関わる事態,又は競技の妨害を来たすことがないように設定しなければならない。
- 審判長,主任審判員,チーフ・ルート・セッターは,競技会の各ラウンドに先立ち安全確保の基準を満たしていることを確認するために各ルート,ボルダー・プロブレムを点検しなければならない。
- 競技会で使用する用具は,国際山岳連盟(以下,「UIAA」と略称する。)の規格を満たしているか,又は審判長が例外として認め指定したものでなければならない。ロープ交換の回数は,主任審判員が決定する。
- ルート上の用具は,以下の安全対策に留意する。
(1)
- ラウンド中に使用する各確保支点は,選手がロープを通すカラビナのあるクイックドロー・スリングを備えていること。
- Zクリップの可能性は,最小限にすること。
- クイックドロー・スリング(中間をカラビナで連結しない)と確保支点の結合は,UIAAが公認した10mmのマイロン・ラピッドで行い,そのスリーブは,製造者が認めた仕様書に基づいて閉じること。
(2)
- 通常のクイックドロー・スリングより長いものが必要な場合は,少なくとも同等の強度を持つ1本のテープでできた(機械縫いの)テープスリングを使用すること。
- 輪になったスリングは,粘着テープでまとめておく。
- いかなる場合でも通常の長さのクイックドローをマイロン・ラピッドや,安全環の有無を問わずカラビナで連結したものを使用してはならない。
- ロープやテープで結んだスリングの使用は認めない。
- 審判長又は主任審判員は,資格のある医療担当者が選手及び競技エリア内で業務に当たる役員が事故又は負傷した場合に速やかに対処するために待機していることを確認しておくこと。
- 主任審判員は,選手が負傷その他体調不良のため競技続行が困難な状態にあると認めたときは,当該選手に以下の身体テストを行い,選手の検査を競技会医師に依頼することができる。
(1)足部:選手が連続して5回,それぞれ片足跳びを行う。
(2)腕部:選手が連続して5回,両手で腕立て伏せを行う。
第31条(アイソレーション)
- 選手及び監督は,競技開始通告後直ちにアイソレーション・ゾーンに入らなければならない。選手は,審判員(主任審判員を含む,以下本条において同じ。)又は競技委員の指示によるほかは,アイソレーション・ゾーンから退室することができない。
- 監督は,アイソレーション・ゾーンから退室したときは,審判員又は競技委員から特に指示がある場合を除き,再度入室することができない。
- アイソレーション・ゾーンから退室した監督は,審判員又は競技委員の指示に従い,指定された場所に移動する。ただし,特に指示があるときはこれに従う。
- アイソレーション・ゾーンに待機中の選手は,競技を終えた選手,監督若しくは観客と接触し,又は競技に関する会話を交わしてはならない。ただし,審判員又は競技委員から特別の指示があったときは,この限りでない。
- 次の者は,アイソレーション・ゾーンに立ち入ることができる。
(1) 審判員
(2) 競技役員
(3) 主任審判員が特に認めた者。ただし,この場合は選手との不要な混乱を防止するため,競技役員が付き添い監視する。動物の持ち込みは禁止する。
- 喫煙は認めない。
- 選手,監督,その他選手に付きそう当該都道府県の役員は,審判長又は主任審判員の特別許可がなければ,携帯電話又はこれに類する電子通信機器,コンピュータ,カメラ,ビデオカメラ又はこれに類する記録・映像機器を競技エリア内で使用してはならない。
- 選手は,オブザベーション中,及びクライミング中はいかなるオーディオ機器も所持又は使用してはならない。
- 競技を終えた選手は,審判員の許可を受けた場合,又は主任審判員が当該競技の最終班の競技終了通告をした後でなければ,アイソレーション・ゾーンに立ち入ってはならない。
第32条(オブザベーション)
- 選手及び監督には,ラウンド又はアテンプトに先立ち,ルート及びプロブレムについて検討するオブザベーションの機会を与える。
- オブザベーション・エリア内では,アイソレーション内における規定を適用する。オブザベーションは,決められたオブザベーション・ゾーンで行う。クライミング・ウォールに登り,又は当該場所に残置されている道具・用具・器具類に上がり,又はこれを使用してはならない。
- 選手は,オブザベーション中,ルート観察に必要な双眼鏡を使用し,又は記録として手書きでスケッチをすることができる。ただし,これ以外の記録機器類の使用は認めない。
- 選手は,ルート又はプロブレムに関して公式のオブザベーションで得た情報以外の情報を取得してはならない。
- 選手は,自己の責任において,ルート又はボルダー・プロブレム観察中のすべての指示に注意を払わなければならない。
- オブザベーションを終えた選手,監督は,主任審判員,審判員又は競技委員の指示に従いアイソレーション・ゾーン又はコール・ゾーンへ移動する。監督はコール・ゾーンに立ち入ることはできない。
第33条(クライミングに先立つ準備)
- 選手は,アイソレーション・ゾーンからコール・ゾーンへ移動するよう指示を受けた後は,競技会役員以外の何人とも行動を共にしてはならない。監督はコール・ゾーンに立ち入ることができないため,指定された位置で待機する。
- 選手は,コール・ゾーンに到着後,競技種目に応じてクライミング・シューズを履き,決められた結び方でロープを結ぶなどアテンプトの準備をしなければならない。
- 選手は,ルート又はプロブレムの競技開始前にリード競技におけるロープの結び方を含め,使用するすべてのクライミング用具について安全性に問題はないか,本競技規則に準拠しているか,審判員から検査を受けなければならない。選手は,競技を行う間に身に着ける用具と衣服に自ら全責任を持たなければならない。
- 選手は,指示を受けた後,遅滞なくコール・ゾーンを離れ,競技エリアに入らなければならない。
第34条(服装と用具)
- 選手が使用する用具は,UIAAの基準に合致したもの,又は日山協で指定したものでなければならない。
- 選手は,UIAA公認のハーネス(リード競技ではハーネスを装着しなければならない。)を使用し,クライミング・シューズを履かなければならない。選手は,任意でチョーク・バック,クライミング・ヘルメット,衣類を自由に使用することができる。
- 選手は,主任審判員が事前に認めた場合に限り,ルート又はプロブレムのアテンプト中にチョーク(炭酸マグネシウム)以外の物質を手に付け使用することができる。
第35条(壁のメンテナンス)
- チーフ・ルート・セッターは,各ラウンドを通じ安全を最優先にして壁の保守と修理を行う保守チームを確保する。
- チーフ・ルート・セッターは,主任審判員から壁を補修するよう指示を受けたときは直ちに保守チームが補修作業にかかり,その結果を点検する。点検の結果,以後競技を行う選手に不利益が生じないことを確認したときはこれを主任審判員に報告する。競技再開又は中止の決定に対しての抗議は認めない。
第36条(テクニカル・インシデント)
- テクニカル・インシデントとは,何らかの事象によってある選手にその選手自身の行動によ らず不利又は不公平な結果が生じることをいう。テクニカル・インシデントの種類と発生後の 処理の詳細は,種目ごとに定める競技規則による。
- テクニカル・インシデントは,以下のとおり分類する。
(1) 審判員が指摘するテクニカル・インシデント
- 選手がレジティメイト・ポジションにある場合,登り続けるかテクニカル・インシデントを受け入れるかを選ぶことができる。
- 選手が,テクニカル・インシデントの結果として,レジティメイト・ポジションにない場合,審判員は,直ちにテクニカル・インシデントを宣言し,選手のアテンプトを終了させ,該当するテクニカル・インシデントの規則に照らして選手に再アテンプトを認める。
(2) 選手が指摘するテクニカル・インシデント
- 選手がレジティメイト・ポジションにある場合,選手はテクニカル・インシデントの性質を明らかにし,審判員の同意のもとにクライミングを続けるか中止するかを選ぶことができる。選手が続けることを選んだときは,当該テクニカル・インシデントについて,それ以後の申告は認めない。
- 選手が指摘するテクニカル・インシデントの結果,レジティメイト・ポジションにない場合,審判員は直ちにその対応を決定しなければならない。
- 主任審判員は,テクニカル・インシデントの確認及び却下の決定をするについて必要があるときは,チーフ・ルート・セッターと協議する。この決定に対しての抗議は認めない。
第37条(判定用ビデオ記録の使用)
- リード競技のルート及びボルダリング競技のプロブレムについて,各選手のアテンプトの公式ビデオ記録を作成する。
- リード競技では,1ルート当たり最低1台のビデオ・カメラを,ボルダリング競技では,すべてのボルダーをカバーする最低2台の固定したビデオ・カメラを,それぞれ使用する。ビデオ・カメラの設置場所は,主任審判員がチーフ・ルート・セッターと協議して定める。
- 競技会場には,ビデオ判定に使用するため,ビデオ再生システムを接続するモニターテレビを設備しなければならない。設置場所は,審判員が判定に利用しやすい場所とし,かつ審判員以外の者が視認できない位置に設定する。
- 公式ビデオ記録以外のビデオは,判定に使用することができない。判定に使用するビデオは,主任審判員,審判員,チーフ・ルート・セッターが確認する。競技委員長ほか抗議の裁定に関わる競技役員は後刻これを再確認することができる。それ以外は何人もこれを視聴することを認めない。
- 公式ビデオ記録は,各ラウンド終了時に競技委員長が保管し,国体山岳競技の指導育成普及に利用することができる。
第38条(審査の基準)
- 審査の基準は, 種目ごとに定める競技規則による。
- 審査の結果は,個人順位で公表する。
- チームの種目順位は,当該選手2名のそれぞれの順位を合計した値で決定する。(以下チーム順位という。)個人順位の合計が少ないチームを上位とする。個人順位の合計が等しい場合は,より上位の個人順位のあるチームを上位とする。決勝でチーム順位が同位の場合は,予選結果を考慮するカウント・バックを適用し,予選のチーム順位が上位のチームを上位として順位を決定する。それでもなお1位が決しないときはスーパーファイナルを行い,なお決しないときは同順位とする。
- チームの総合順位は当該チームのそれぞれの種目順位を合計した値で決定する。(以下チーム総合順位という。)種目順位の合計が少ないチームを上位とする。チーム順位の合計が等しい場合は,より上位の種目順位のあるチームを上位とする。
第7章 警 告
第39条(警 告)
- 審判員(審判長,主任審判員を含む,以下同じ。)は, 選手又は当該チームが競技会開催期間中,次の各号の一つに該当したときは,当該選手を警告し(イエロー・カード), 当該選手が2回目に警告を受けたときは当該競技の中止を宣告する(レッド・カード)。
(1) 競技運営に支障を来す行為を行った
(2) 著しく品位を損なう行為を行った
(3) 競技規則に従わなかった
- 正当な理由なく総合開会式又は式典に参加しなかった
- 正当な理由なく計画輸送に従わなかった
- スタート指示の不服従
- アイソレーション・ゾーン,コール・ゾーンへの移動指示に対する不当な遅滞
- 規定の用具を使用しなかった
- ゼッケンを着用しなかった
- 競技役員の指示に従わなかった
- 審判員及び競技委員の任務に対し干渉した
- 施設の状態を変更した
- 点呼に応じる義務に違反した。ただし,(第28条第2項適用を除く。)
- 制約された場所で規則に反して競技会役員以外の者と接触し又は会話を行った
- 審判員は,競技会開催期間中,監督又は当該チームが正当な理由なく次の各号の一つに該当したときは,当該監督を警告し,2回目に警告を受けたときは競技会会場からの退場を宣告する。
(1) 総合開会式に参加しなかった
(2) 計画輸送に従わなかった
(3) 監督会議に出席しなかった
(4) 規則に反してアイソレーション・ゾーン,コール・ゾーンへ立ち入り,又は選手と接触し,会話を交わした
(5) 点呼に応じなかった
(6) 競技会役員の指示に従わなかった
- 当該チームが警告を受けたときは,これを当該チームの選手,監督それぞれが各1回の警告を受けたものとみなす。
第40条 (競技の中止)
- 選手が競技中止の宣告を受けたときは,その時点で当該種目競技の成績を判定する。
- 競技中止の宣告は,競技開始通告後に行う。
第41条 (失格及び退場)
- 選手は, 次の各号の一つに該当し, 中央総務委員会が判定したときは失格とする。
(1) 不正な条件で競技に出場したとき
(2) 競技の妨害等, 競技に重大な支障を来す行為があったとき
(3) 警告を2回受け中央総務委員会が失格と認めたとき
- 監督は, 次の各号の一つに該当し,中央総務委員会が判定したときは,競技会開催期間中, 競技会会場からの退場を宣告する。
(1) 不正な条件で出場したとき
(2) 競技の妨害等, 競技に重大な支障を来す行為があったとき
(3) 警告を2回受け中央総務委員会が退場と認めたとき
第8章 抗 議
第42条 (抗 議)
- 監督又は選手は, 選手の反則行為の処分,競技の中止,失格等について抗議をすることができる。監督は,自らの処分についても抗議をすることができる。
- 抗議は, 判定時又は処分時において,口頭により行うことができる。ただし,文書をもって行うときは,主任審判員に提出する。口頭による抗議の裁定結果を含め,再度の抗議は認めない。
- 競技に対する抗議は, 競技中にのみ行うことができる。競技終了通告後は,抗議をすることができない。
- リード競技では同競技規則第8条の2、ボルダリング競技では同競技規則第7条の6に関する違反行為があって,審判員が選手に登るのをやめるように指示した場合,選手・監督はその決定に対し直ちに抗議をすることができる。抗議が行われた場合も競技は続行する。抗議が認められれば、選手は再アテンプトをすることができる。選手は,テクニカル・インシデントを被った選手のための規定に準じた条件で再アテンプトが認められる。再アテンプト終了後,選手はそのアテンプトの中で最も良い結果を記録される。
- 審査に関することについての抗議は,成績の仮発表が掲示されてから10分以内に限る。それ以外の抗議については一切受け付けない。
- 正式発表の結果に関することについての抗議は,正式発表されてから30分以内に限る。それ以降の抗議については一切受け付けない。
- 審判に関する抗議は審判員会が, その他の抗議は中央総務委員会が, 審議し処理する。
第9章 成 績
第43条 (成績の発表)
- 成績の発表は, 1日の種目競技が終了した後, 次の手順で行う。
(1) 審判員は, 当該種目競技が終了した後, 採点表を主任審判員に提出する。
(2) 主任審判員は, 都道府県別, 審査項目別に得点を集計して審判長に提出する。
(3) 審判長は, 内容を確認した後, 競技委員長に報告し, 競技部に回付して発表を指示する。
(4) 競技部は, 所定の掲示場所に成績表を掲示し, 成績を発表する。
(5) 当該種目競技が終了した後,種別ごとに種目の順位を決定し,当日中に第1位から第8位まで入賞したチームを表彰する。
- 総合成績の発表は, 全競技日程の終了後, 次の手順で行う。
(1) 審判長は, 審判員会を開催し, 競技得点表を作成して総合成績計算委員会に提出する。
(2) 主任審判員は, 審判長の指示により, 担当種別又は種目に関する講評原稿を作成する。
(3) 審判長は, 主任審判員の講評内容を総括し, 講評原稿を作成して競技委員長に提出する。
(4) 総合成績計算委員会は,審判長の提出した競技得点表に基づいて都道府県別総合成績表を作成し,順位を決定して競技委員長に提出する。
(5) 競技委員長は,中央総務委員会で総合成績順位及び講評原稿の内容確認後,競技会会長の承認を得る。
(6) 競技会会長は,表彰状の作成及び成績発表について総務部に指示する。
(7) 審判長は,表彰式で講評を行う。
(8) 競技委員長は,表彰式で総合成績順位の発表を行う。
(9) 競技会会長は,表彰式で表彰状を授与する。
- 競技委員長は,競技会終了後,都道府県別得点の最終結果を公表する。
第44条 (用語の解釈)
用語の解釈は, 次のとおりとする。
(1) 競技会場 山岳競技会場を管轄する市町村など行政区域全体をいう。
(2) 競技場 実際に競技を行う場所とそれに付帯する特定の区域をいう. ルート周辺の一定区域など。
(3) 競技ルート 実際に競技を行うスタートホールドから最終ホールドまでをいう。
(4) 競技エリア 競技に必要な一定の区域をいう。
(5) 競技中 主任審判員による競技開始通告から競技終了通告までの時間をいい,その間は,審査対象時間内であり,競技時間に同じ。
(6) 競技時間 選手が競技を行う時間をいう。競技時間を超えた時点で選手の競技は中止となる。競技時間は審判長が定める。
(7) レジティメイト・ポジション 選手が一切の違反行為を行うことなく,正常なアテンプトを継続している状態をいう。
付 則
- この規則の改廃は, 国体常任委員会の議を経て理事会で行う。
- この規則は, 昭和51年5月23日から施行する。
昭和54年5月27日 改訂
昭和55年5月25日 改訂
昭和56年5月24日 改訂
昭和58年5月22日 改訂
昭和62年9月10日 改訂
平成5年11月7日 改訂
平成9年3月23日 改訂
平成10年3月15日 改訂
平成11年3月14日 改訂
平成13年3月25日 改訂
平成15年5月25日 改訂
平成16年5月30日 改訂
平成18年5月21日 改訂(平成20年4月1日から施行する。)
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