2008年度長野県山岳協会 総括報告
2008年度は過去2期にわたる体制での取り組みを継続し、協会活動、加盟団体活動を充実させる方向で、理事一丸となって協会運営を進めてまいりました。
協会運営の基本姿勢を「協会員にとって協会が如何にあるべきかという視点に立った運営」という点におき、同時に協会規約に明記されている「正しい登山を指導普及してその健全な発展をはかり、あわせて加盟団体の交流をはかりながら、国民体育ならびに文化の向上に寄与することを目的とする。」という観点とも合わせながら、協会内加盟団体並びに協会組織の活性化と長野県を代表する登山団体として様々な社会的責務を担うことの両立を図って行くことに務めて来ました。山岳会の衰退の中で「協会」の役割が見えにくくなってきた昨今、協会員のニーズを正しくつかみ、それに沿った形で一人ひとりの顔が見えるような運営をしていくことがこれまで以上に求められていると考えています。この様な中、従来通りそれぞれの支部、各委員会が実質的に機能することを最優先とした運営を継続して来ましたが、まだ不十分な点も多く、今後も現状課題の再検証、新たな課題の把握について怠ることなく対応し、その解決に向けた努力をしていくことは不可欠であると考えます。
今年度は遭難が多発し、8月には県警から「非常事態宣言」が出されました。残念ながら協会内の団体においても遭難事故が発生しています。自然の中での活動である以上、事故のリスクは避けられませんが、事故原因に学び、これを教訓として今後に活かしていきたいと考えています。
今年度において特筆すべきは「競技登山における努力と成果」「自然保護委員会におけるフィールドワークの再開」「事業部における海外クロニクル作成の進展」「四川省大地震への義援金募金活動」などが挙げられます。また、来る2011年に迎える長野県山岳協会50周年に向けて、その記念事業の推進役となる「実行委員会」も立ち上げました。伝統の上に立って、新たな長野県山岳協会のあり方を考え始めた年でもありました。
登山の普及・技術の向上・啓蒙活動
登山の普及は、協会加盟団体の活動そのものであると同時に、協会、加盟団体の持てる力の社会還元の二面を持っています。後段の社会還元については山岳協会、各山岳会が社会的にも認知されることで、個々の登山活動の展開にも優位な影響を及ぼすものと考えられます。
本年度の各支部の独自企画による夏山登山教室については、各支部において重要事業として捉え着実に実施されました。県の遭難防止対策協議会から補助金を出してもらっていることからも分かるとおり、経年的に行われてきた実績に対しその意義は社会的にも充分に理解されています。今後さらに洗練され充実を図って行くことが期待されます。
指導委員会は、有資格者による指導員会組織が確立されており、自立的な運営が継続されましたが、二年連続して検定会の受験者がおらず、実施がされませんでした。指導員制度の変更に伴い受験者への負担増が生じるとともに、山岳団体における新入会員減少という現状の中、今後の指導員資格者養成にあっては、経験則も含めた技術、理論の向上等現有資格者の自覚も促しながら、次代に伝えていくことが大切です。
遭難対策委員会では、ここ数年の流れを受け、山岳総合センターとのタイアップによるレスキュー研修会(夏冬2回)、長山協キャンプでの指導委員会との合同研修会を実施しました。内容面では非常に充実しているものの、参加者に固定化の傾向が見られており、活性化に向けた活動が課題といえます。
自然保護委員会では、昨年度から独自活動として行っている山のトイレ問題への取り組みに加え、鹿の食害の問題を学習する機会を設けました。年度途中で協力を要請された自然保護連盟創立40周年を記念しての「ネパール学習トレッキング」は準備期間不足等もあって当初日程での実施は延期となりましたが、2009年度春に実施することで現在最終準備にはいっています。
ジュニア委員会では山岳総合センターとの共催、競技部との共同歩調によるスポーツクライミングを主体に人工壁だけでなく自然の岩場も活用した中高生の育成への取り組みを継続実施し、国体、JOCジュニアオリンピックでも活躍する選手を育ててきました。センターと共同で高校生練習用岩場の開拓、情報公開を行ったことも特筆すべき成果といえます。一方で野外活動の素晴らしさを伝える分野でのジュニア対応が今後の課題といえます。
競技登山
2008年度大分国体からは、リードクライミングとボルダリングの2種目での競技となり、身体能力と人工壁でのトレーニング量の多少が勝敗を決する競技となりました。選手育成はもとより、審判員の育成に関しても昨年度に引き続き取り組みました。
第67回国民体育大会(大分県)の予選会である北信越国体は新潟県で開催され少年男子が1位通過し、成年男子とともに本国体に出場し、少年男子のリードクライミングは3位、ボルダリング4位と2年連続での入賞を果たしました。さらに第11回JOCジュニアオリンピックカップにおいても出場した選手はいずれも好成績を収めました。ジュニア委員会と競技部が合同で行っている強化の結果が現れてきたものと思います。
日本山岳協会主催による「第4回山岳スキー競技日本選手権大会」は「第2回アジア選手権大会」を兼ねて小谷村において開催され、地元である当協会は北信越各県、日山協派遣役員からの支援を得て企画運営に協力しました。なお、すでに今月初めに「第5回大会」も開催されましたが、協会員の皆様のご協力で、大会が円滑に進み、主催者をはじめ関係者からは感謝されているところです。
国際登山・国際交流
国際部では秋に海外登山研究会を開催し、情報交換の場を設定しました。国際部として掴んでいる登山隊数はそれほど多くはありませんが、少人数のネパールやアラスカへの遠征などがありました。また個人でチームを組んでのエクスペディションで世界レベルの登山活動を行った加盟団体会員の存在も見逃せません。
事業部
2008年度は事業部会の中から担当理事を選出し、長山協キャンプおよび山のセミナーの企画調整を行いました。国際登山クロニクル作成ではデータ集積、見本CDの作製を行い、機会あるごとに紹介し、理解を深めることに努めました。
医科学
昨年に引き続き「やまなみ」で「登山の医学」連載、国際部会、自然保護委員会と合同で「山のセミナー」を開催しました。登山者の立場にたった医科学委員会であるために、医科学委員会の持つノウハウを協会員に周知、登山活動に活用できる方法をさらに検討して行きたいと考えます。
やまなみ・ホームページ
「やまなみ」は予定通り4回の発行を行いました。また情報提供は各会へのメール、FAX、登録者へのメールおよび協会ホームページの活用により、現段階としては良好な状況で行えたものと考えています。今後、ホームページ掲載のタイムリー化、適時の更新のための方策を考え、また当協会の旧名称を名乗る他団体との混同を社会に招かないよう引き続き注意を喚起し、未だ混同したリンクを張るホームページ開設者に対しての働きかけを行っていく必要があるものと考えます。
財務
収入収支については、理事などの個人負担も少なからず残る中、「やまなみ」発行回数、連絡通知のメール化による郵送経費削減等により収支バランスは良くなりました。今後も有効かつ適切な予算執行を進める必要があります。
長蔵20 周年記念事業実行委員会
2011年に50周年を迎える長山協の節目の年に記念事業を行うべく、実行委員会を立ち上げ、その具体化の第1歩を踏み出しました。
2008年度長野県山岳協会活動報告
| 年
| 月
| 日
| 活 動 内 容
|
| 2008
| 4 |
4-6 |
第1回フリークライミング強化プロジェクト(遠山川) |
| 5-6 |
第4回山岳スキー全日本選手権大会(栂池) |
| 6 |
競技委員会総会(東京) |
| 10 |
諏訪支部第1回幹事会 |
| 12 |
2007年度第8回理事会 |
| 13 |
第49回定期総会、第1回理事会 |
| 14 |
指導委員会第1回常任委員会 |
| 22 |
第2回理事会、中信支部第1回幹事会 |
| 24 |
伊那支部第1回幹事会 |
| 5 |
12 |
指導委員会第2回常任委員会 |
| 15 |
東北信支部第1回幹事会、諏訪支部第2回幹事会 |
| 16 |
第1回自然保護委員会 |
| 16-17 |
高体連南信大会(大川入山) |
| 17-18 |
第11回雪上技術交流会in針ノ木 |
| 18 |
日山協理事会・総会(東京) |
| 24 |
北信越5県連絡協議会(妙高市) |
| 24-25 |
第47回指導員検定会 |
| 25 |
事務局会議 |
| 31 |
やまなみ189号発行 |
| 6 |
5-7 |
高体連長野県大会 |
| 7-8 |
諏訪支部クライミング交流会 |
| 8 |
長野県クライミング大会(妙高市) |
| 11 |
東北信支部第2回幹事会 |
| 14 |
東北信支部物見の岩清掃 |
| 14-15 |
第3回クライミング強化プロジェクト(愛知県新城市) |
| 17 |
第3回理事会 |
| 20-22 |
高体連北信越大会(福井県) |
| 21-22 |
海外・国際交流委員総会(群馬県) |
| 22 |
中信支部第2回幹事会 |
| 26 |
伊那支部第2回幹事会 |
| 28-29 |
日山協遭難対策研修会(福井県) |
| 7 |
1 |
第1回医科学委員会 |
| 3 |
東北信支部第3回幹事会 |
| 5 |
富山岳連60周年記念(富山市) |
| 5-6 |
東北信支部夏山登山教室 |
| 6 |
深志高校山岳部創部90周年 |
| 7 |
指導委員会第3回常任委員会 |
| 10 |
諏訪支部第3回幹事会 |
| 11 |
東北信支部交流会 |
| 19-20 |
第4回クライミング強化プロジェクト(愛知県新城市) |
| 29 |
中信支部第3回幹事会 |
| 26-27 |
諏訪支部夏山登山教室、第29回北信越国体(妙高市) |
| 8 |
2 |
伊那支部夏山登山教室 |
| 3 |
中信支部夏山登山教室 |
| 7 |
事務局会議 |
| 15-17 |
JOCジュニアオリンピック大会(富山・城端) |
| 19 |
第4回理事会 |
| 23-24 |
鹿食害現地観察会(仙丈ヶ岳) |
| 29 |
第1回遭難対策委員会 |
| 30-31 |
指導・遭対研修会(更新時講習) |
| 31 |
やまなみ190号発行 |
| 9 |
6-7 |
ジュニアクライミング研修会(大町市) |
| 8 |
指導委員会第4回常任委員会、中信支部第4回幹事会 |
| 11 |
諏訪支部第4回幹事会 |
| 12-14 |
中高年安全登山指導者講習会(滋賀県) |
| 13-14 |
第5回クライミング強化プロジェクト(富山県南砺市),高体連東信新人大会(菅平) |
| 19-20 |
高体連中信新人大会(松川村) |
| 20-21 |
第6回フリークライミング強化プロジェクト(鳳来) |
| 23 |
国体壮行会(山岳総合センター) |
| 27-28 |
長山協キャンプ・指導者養成講習会(廻り目平) |
| 30 |
事務局会議 |
| 10 |
3-4 |
高体連南信新人大会(甲斐駒・仙丈ヶ岳)、国体山岳競技(大分) |
| 5 |
諏訪支部清掃登山 |
| 9 |
第2回国際部会 |
| 10-11 |
高体連北信新人大会(栄村) |
| 21 |
第5回理事会 |
| 25 |
伊那支部秋山交流会、第7回フリークライミング強化プロジェクト(遠山川) |
| 11 |
10 |
指導委員会第5回常任委員会 |
| 15 |
国際部海外登山研究会(山岳総合センター) |
| 29-30 |
北信越五県連絡協議会(大町) |
| 30 |
やまなみ191号発行 |
| 12 |
11 |
諏訪支部第5回幹事会 |
| 12 |
伊那支部第3回幹事会 |
| 13-14 |
伊那支部雪上技術訓練(富士山) |
| 16 |
第6回理事会 |
| 23 |
中信支部第5回幹事会 |
| 27 |
東北信支部物見の岩お礼 |
| 2009
| 1 |
13 |
指導委員会第6回常任委員会 |
| 16 |
諏訪支部新年会 |
| 17 |
日山協新年会(東京) |
| 24-25 |
指導・遭対研修会(更新時講習) |
| 31 |
山のセミナー(山岳総合センター) |
| 2 |
1 |
山のセミナー、50周年記念事業第1回実行委員会 |
| 14 |
日山協ジュニア情報交換会(東京) |
| 15 |
日山協評議員会(東京) |
| 17 |
第7回理事会 |
| 21 |
指導委員会総会 |
| 21-22 |
北信越ブロック研修会(白山市) |
| 22 |
指導員研修会 |
| 26 |
東北信支部第4回幹事会 |
| 3 |
3 |
中信支部総会 |
| 6 |
中高年安全登山講習会打合せ(東京) |
| 7-8 |
雪山交流会(根子岳) |
| 10 |
第2回50周年実行委員会、やまなみ192号発行 |
| 12 |
伊那支部総会 |
| 13 |
諏訪支部総会 |
| 15 |
日山協理事会・総会(東京) |
| 17 |
第8回理事会 |
| 29 |
環境トレッキング第2回打合せ会 |
| 4 |
4-5 |
第5回山岳スキー全日本選手権大会(栂池) |
| 11 |
第9回理事会 |