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上高地自然観察会釜トンネル入口で支度をしていると、バス、タクシー、旅館のマイクロバスなどがやってきてスノーシューを持った人たちが次々と降りてきてトンネルに入っていく。人気の程がうかがえる。安房トンネル開通で国道168号線が通年通れるようになったこと、スノーシューや歩くスキーを使った雪道のトレッキングブームなどで、かつてはアルピニストだけの世界だった冬の上高地にツアーを含む大勢のトレッカーが押し寄せる事態となっている。その影響はどんなものか確かめるのが観察会の目的である。 雪に隠れていたのかもしれないが結果は予想以上にきれいで、ゴミやキジの跡はみられなかった。 一番の要因は、冬でも使えるトイレが増えたことだろう。釜トンネルの入口の中の湯温泉連絡所横、大正池ホテル横、中の瀬(田代橋横)、バスターミナル、それと小梨平にある。釜トンネル入口以外のトイレは、自然公園財団という組織が作って運用している。夏使う部分は閉鎖されているが、冬用にトイレが1つだけ男女兼用で使えるようになっている。水洗で24時間暖房が入っていてどのトイレも中はきれいだった。 大正池ホテルまでは自動車道路、その先は、道路と遊歩道にトレースが付いていた。積雪は50センチから1メートルほどで、遊歩道はほとんど埋まっていた。トレッカーには遊歩道を歩いてもらいたいが、明らかに外れているところも何カ所かあった。最初に歩く人がわかりやすいように、もう少し標識を増やした方が良いと思った。道路は工事用車両が通る区間は除雪されていた。梓川の浚渫や護岸工事は冬に行われていて、その為の工事用道路が梓川の右岸に付けられている。明神では川の中に重機が入って流れを変える工事が行われていた。 小梨平から下流にはサルがヤナギの枝の皮を食べたあとがいくつかあった。枝だからその部分はやがて枯れてしまうが、木全体がダメになることはない。そこは鹿と違うところ。やはりサルは賢いと感心。これを食害と言ってしまうと人間中心に過ぎるのではないか。 冬の上高地は美しい。私たちの行った日も快晴で青い空に白い穂高が輝いてこれぞ冬山の醍醐味と思わせる景色が見られた。カモシカやサルを見たし、雪の上には無数の動物の足跡。これに惹かれて多くの人がやってくる。でも人が増えるとその弊害も増える。ゴミやキジは無くても動物には影響があるかもしれない。不況のせいか、雪のせいか昨年に比べると相当減ったらしいがこの日の入山者は我々も含めて50〜60人。多いかすくないか。 人気の高まった上高地で、冬の旅館営業を解禁したらどうかという議論がある。対して夏の自然のオーバーユースを冬に回復しているのだから解禁したらいけないという意見もある。 皆さんはどう考えますか。一度自分の目で確かめに行ってみたらどうでしょうか。 自然保護委員長 杉田 浩康
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