事業部 山のセミナー


先日来の雪で山もすっかり雪化粧の白銀の世界となりました。皆様にはご健勝にてお過ごしのことと存じます。
さて、事業部では、研修会などを通じ会員の資質向上に努めるという趣旨のもと、毎年開いています「山のセミナー」を本年度も下記のように開催いたします。本年度は、外部、他岳連からの講師も招いています。登山だけではない山の魅力に触れてみませんか? 協会員はもちろんのこと、どなたでも参加できます。奮ってご参加ください。

期 日2014年 2月 2日(日)
場 所長野県山岳総合センター
長野県大町市大町8056-1(TEL0261-22-2773)
主 管長野県山岳協会 国際部・普及指導部・自然保護委員会・医科学員会・事業部
プログラム 9:30受付開始
  1. 10:00〜10:50 「体験活動としてのジュニア登山教室」
    ジュニア委員会・ジュニア委員会委員長 傘木 靖 氏
  2. 11:00〜12:00 「低体温症・凍傷・外傷(怪我)、現場で何ができるか」
    医科学委員会・ 日本登山医学会認定 国際山岳医
    日本山岳ガイド協会認定 登山ガイド 千島 康稔 氏
  3. 12:00〜13:00 昼食
  4. 13:00〜14:30 「ペルーアンデスの魅力」
    国際部・ 富山県山岳連盟 上田 幸雄 氏
  5. 14:40〜15:40 「ライチョウの生息域内保全−乗鞍岳で実施された孵化後家族のケージ保護の取組−」
    自然保護委員会・ 東邦大学理学研究科 小林 篤 氏
参加費500円
駐車場車で来場の方は山岳博物館の駐車場ではなく、大町市霊園の駐車場をご利用下さい。
定員最大 50名
申込み1月28日(火)までに下記へ、協会員は氏名・所属会名をお知せ下さい。
  担 当  佐伯 和人 (kzfm2@yahoo.co.jp)
  住 所  〒393-0045 下諏訪町南四王6150-9-305
  TEL)090-8725-1572)
※プログラムの都合上、山岳協会ニュース「やまなみ211号」掲載時に対して開始時間が遅くなっていますのでご注意ください。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜プログラムの内容紹介〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
  1. 「体験活動としてのジュニア登山教室」
    「登山」は、自然体験活動の一つです。今年度の「ジュニア登山教室」の様子を紹介しながら、長野県山岳協会「ジュニア登山教室」を、「体験活動」という観点からあらためて考えてみます。

  2. 「低体温症・凍傷・外傷(怪我)、現場で何ができるか」
    低体温症・凍傷は、この時期の登山で比較的起こしやすい障害です。基本的な知識を持つことで、予防できたり、早く気づいて対応ができます。救急車を呼べず、医療機関を受診するまでに時間がかかる「山」という環境では、初期の対応や治療で、その後の経過が大きく変わることがあります。また、ちょっとした外傷(怪我)でも同じことが言えるでしょう。「ちょっと知っていれば役に立つ」、そんな情報をわかりやすく具体的にお話しします。

  3. 「ペルーアンデスの魅力」
    南アメリカ大陸を南北8000kmにわたり貫くアンデス山脈。南からチリ・アルゼンチン・ボリビア・ペルー・エクアドル・コロンビアの6か国にまたがり、ヒマラヤに次ぐ規模と標高を誇る大山脈。その最高峰は、アコンカグア(6959m)であるが、世界有数の美しい氷雪壁を有する山々はペルーアンデスに存在している。
     2001年、友人や雑誌の情報を頼りに訪れたブランカ山群。南北200q、東西50qに26座の6000m峰が立ち並ぶ。登山許可や登山料は必要なく、最新の現地情報をもとに、各自の力量の応じて目標とする山やルートを決定することが出来る。標高3000mに展開するワラスの街を登山基地として、アルプスの快適さとヒマラヤのスケールを融合させたエリアである。
     2013年、富山県山岳連盟の登山隊として、再びこの地を訪れ、世界一美しい山と称されるアルパマヨ、アンデス最難と云われるヒリシャンカを目標に掲げていたが、その夢は果たせなかった。
    僅かばかりの経験ではあるが、ペルーアンデスの魅力をお伝えすることが出来れば幸いである。

  4. 乗鞍岳に於いて孵化後の雛の生存率を長年にわたり調査した結果、孵化後1ヶ月間の死亡率が特に高く、その原因は悪天候と捕食が主な原因であることが分かった。そのためライチョウの域内保全策の一つとして、孵化後の家族を生息環境に設置したケージにより雛を悪天候と捕食から人の手で守る検討が、2011年から3年計画で実施された。最初の2年間は設置場所の植生調査、雛の餌内容、ケージの試作等の事前調査が実施され、3年目の2013年には大・中・小3つのケージを使い、3家族を保護する試みを環境省と自然保護助成基金の援助を受けて実施した。今回のセミナーではその模様を動画も交え紹介され、結果についての報告が行われる。